IMA : イタリア映画紀行
Italian Movie Account of a trip
ユーロビート・アズーリ・ルネサンスの国、イタリア。また、映画でも、ルキノ・ヴィスコンティやフェデリコ・フェリーニ、ジュゼッペ・トルナトーレ、ロベルト・ロッセリーニ、ロベルト・ベニーニなどの名匠を輩出していることでも有名だ。
しかし、裏を返せば、いわゆるB級映画と呼ばれる作品にも名作、迷作が多いのもこの国の特徴だ。その多くの作品群は、全世界のそういう層の人間の欲求を満たしてきた。
このページは、ブログの投稿100記事目を記念して製作したが、こういうB級以下の映画たちが埋もれないように、というしたたかな思いも製作の一因だということを覚えておいて欲しい。
第1回「ナイトメア・シティ」

INCUBO SULLA CITTA CONTAMINATA
年度:1980年
製作国:イタリア=スペイン
時間:92分
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:ピエロ・レニョーリ
音楽:ステルヴィオ・シプリアーニ
出演:ヒューゴ・スティグリッツ、ラウラ・トロッター、メル・ファーラー
公式解説:
『人喰族』のウンベルト・レンツィ監督によるホラー映画。交信不能で強制着陸した軍用機の中から武器を操る知性を持つゾンビ軍団が現れた。空港は屠殺場と化し、さらに食物を求めてゾンビたちは人口が過密する大都市へと侵略を開始する。
私的解説:
ゾンビが走る!!
といわれて、まず思いつくのがダン・オバノンが監督した「バタリアン」だろう。こちらはジョージ・A・ロメロのゾンビ三部作の間接的な続編で、本家とは一線を画したコミカル・タッチで、何より走るゾンビを見事に茶化して描ききったという点では、さすがゾンビ三部作のスタッフが関わっただけある。
ならば、「バタリアン」を紹介した方が手っ取り早いのだが、いかんせんここはイタリア映画紀行ですから。というわけで、第1回には明らかにミスキャストだと思いますが(本当は「サスペリア」でもよかったのだ)、この製作年度を見て欲しい。ちなみに「バタリアン」は1985年だ。
そう、この映画は「バタリアン」にクリソツなのですが、製作では「バタリアン」の5年も前に作られていた作品なのだ!!
ストーリーは、原発事故で被曝した人たちが突然変異し、生命源である鮮血が欲しいがために人間たちを襲う、という安直なもの。しかし、見所はあくまでゾンビどもなので、ストーリーはあくまでも添え物以下という(←ぉぃ)。
さて、見所はそんな大暴れゾンビたち。上記の写真のようなやつらが、全速力で走り、マシンガンを撃ち、ナイフを使いこなすなどやりたい放題。これを「バタリアン」とは正反対の大真面目にしているのだからもう笑うしかない。
監督はウンベルト・レンツィ。昔は「殺意の海」などの佳作を作っていた職人監督だったが、ある日に製作した「怪奇!魔境の裸族」がカニバル映画の先陣を切ったとして話題となり、後に残酷描写満載の問題作である「人喰族」を放つことで有名。
しかも出演者にはメル・ファーラーも。知ってる人は知ってると思うが、かのオードリー・ヘップバーンの元夫だ。「戦争と平和」や「史上最大の作戦」などの名作に出ているが、68年の離婚後はやたらとB級映画の出演が目立った。
ちなみに、国内版DVDは現在入手困難なので、見かけたらお早めに。
次回は、マリオ・バーヴァ監督の「血みどろの入り江」を紹介します。お楽しみに!
第2回「血みどろの入り江」

ECOLOGIA DEL DELITTO
年度:1970年
製作国:イタリア
時間:86分
監督、脚本、撮影:マリオ・バーヴァ
音楽:ステルヴィオ・シプリアーニ
出演:クローディーヌ・オージェ、ルイージ・ピスティッリ、イザ・ミランダ
公式解説:
イタリアの美しい湾。この地の所有者の老伯爵夫人が自殺を装い殺された。夫人の二番目の夫も行方不明になる。娘が夫と一緒に父を探しに湾にやって来るが、2人は回りにいる怪しい人間たち全員が殺意を抱いていることを知ることに。
私的解説:
イタリアにはジャーロという特有の映画ジャンルがある。ストーリーは薄っぺらいが、殺人シーンは過激に見せるというという、まあ何というかすごいジャンルです。
マリオ・バーヴァはジャーロというジャンルを作り上げて確立した、いわば“ジャーロの父”。その作風を引き継いで、極限まで昇華させたのがダリオ・アルジェントというわけだ。
この作品もいわずもがなのジャーロだ。そしてマリオ・バーヴァの最高傑作の呼び声も高いこの作品。
海辺の屋敷を舞台にしたドロドロの遺産相続劇なのだが、ストーリーはなかなかしっかりしているものの、殺人シーンがすごいためかやっぱり添え物なんだな〜と思った次第です。
しかし、ジャーロの父だけあり、見せ場は多い。上記の写真のようにお楽しみ中にザックリやられたり、斧でザックリとやられたり、死体の上に集るタコなど、異常なまでに精彩を放っている。
んで、先ほどのストーリーも、最後は意外な結末を迎える。ボンドガールの夫婦が最後まで生き残ったが、お子さんの暴発させたショットガンであえなく死亡。お金にくらんだ者達はすべて死んで終わる。さすがだ。
ちなみに米国では、ウェス・クレイヴンの「鮮血の美学」の続編の触れ込みで上映という、いかにも東宝東和みたいな感じだ。んで、その「鮮血の美学」に参加していたショーン・S・カニンガムが、この「血みどろの入り江」を大胆にパクって「13日の金曜日」の第1作目を作ったのはあまりにも有名。湖畔のクリスタルレイク、殺害方法(特にケビン・ベーコンがベッドでグッサリいくシーンは上記の写真どおり)、薄味なストーリーなど、見比べたら結構出てくる。「13金」の第1作を見るときは、ぜひともこの作品も見ていただきたい。
ボンドガールといいましたが、クローディーヌ・オージェは、「007 / サンダーボール作戦」の時のボンドガールです。
次回は、第3回でついに登場の「人喰族」です。お楽しみに!
第3回「人喰族」

MAKE THEM DIE SLOWLY
年度:1984年
製作国:アメリカ=イタリア
時間:95分
監督、原案、脚本:ウンベルト・レンツィ
製作:アントニオ・クレッセンティ
出演:ジョン・モーゲン、ロレーヌ・ド・セル、ゾーラ・ケロヴァ
公式解説:
人喰族の恐怖を描いた衝撃作。秘境を目指しジャングルを訪れた5人の男女。そこは人肉をむさぼる原住民の住み家だった…。
私的解説:
え〜、第5回までカニバル映画特集ということで、しばらくはお送りします。
その第1弾は、特に異彩を放つ「人喰族」を紹介します。
ストーリーは、「人喰い族なんているわけないでしょ!」と意気込んだ写真の女人類学者がアマゾンに乗り込んだが遭難し、同じく遭難したジョン・モーゲンらと共に彷徨っていたら、本当に人喰い族はいて、悪夢はここからだ・・・というもの。しかし、後々紹介する「カニバル」「食人族」などに比べると、圧倒的にストーリーが薄く、かつサブい(笑)。本当に添え物なんだな〜と思うでしょう。
しかし、ここはウンベルト・レンツィ。カニバルというジャンルを世界で初めて確立させた「怪奇!魔境の裸族」を作ってヒットさせたが、「食人族」の大ヒットに嫉妬を持つだけあります。まあ、この前に撮った「食人帝国」が「食人族」より食いつきが悪かったために路線がそれて、全編「食人族」の見せ場みたいな映画を撮ろうと思ったのでしょう。んで、それが本作というわけで。
さっき述べたとおり、残酷映像のオンパレード。有名なおっぱいフックを筆頭に、イチモツをブッた斬ってそれを食う人喰い族、脳天カチ割って中身をスナック感覚で食べる、ピラニアに足を食われるなど、もうあきれるぐらいにすごいです。これは特殊効果の恩恵なのでいいのだが、問題はここから。アナコンダに豚を殺させるわ、トラにサルを殺させるわ、イグアナにヘビを殺させるわ、亀は殺すわ、ワニは殺すわで、動物虐待のオンパレード。「食人族」でも亀は殺したが、あれの倍以上というのは、もうすごいとしか言えませんね・・・。
そんなシーンにあっけにとられていたら、すごいシーンを見つけました!60:00ぐらいに出てくる金髪の男、どっかで見たことあるな〜と思ったら、「食人族」のドキュメンドのクルーの1人として出てました。そこまで嫉妬してたかウンベルト・レンツィ!
ちなみに、原住民に非道の限りを尽くす男を熱演したジョン・モーゲン。彼はルチオ・フルチの「地獄の門」にて、脳天をドリルでグサっとやられる男です。この「人喰族」ではイチモツを切られた末に脳天をブッた斬りされたりと、まあ何かと似たり寄ったりです。
ちなみに、私もこの「人喰族」の初見のときは、あまりの凄まじさに滅入りました(笑)。
次回は、ルッジェロ・デオダートの「カニバル」をお送りします。お楽しみに!
第4回「カニバル / 世界最後の人喰い族」

ULTIMO MONDO CANNIBALE
年度:1976年
製作国:イタリア
時間:92分
監督:ルッジェロ・デオダート
製作:ジョリジオ・カルロ・ロッシ
出演:マッシモ・フォッシ、メ・メ・レイ、アイヴァン・ラシモフ
公式解説:
ジャングル奥地で伝説の食人族に捕らえられた探検隊が見たものは…。「食人族」のルッジェロ・デオダート監督が贈るホラー。
私的解説:
カニバル映画特集第2弾で、とうとうルッジェロ・デオダートの「カニバル」が登場です。
この前にウンベルト・レンツィが「怪奇!魔境の裸族」を放っており、それこそがカニバル映画の魁だった。そこでデオダートは、人間ドラマ風に仕立て上げた。それがこの「カニバル」なのだ。
この作品、ハッキリ言って最高の出来です。まさに、カニバル映画の中でも最高傑作です。
まずこれは数あるカニバル映画の中でも一番ストーリーがしっかりしている。ジャングルで遭難したこの写真の人類学者。やがて彼は原住民に捕まるが、その原住民こそ人喰い族だったのだ・・・。いずれは食われるなと悟った彼は、原住民の女であるメ・メ・レイを使って脱走を試みる。しかし、メ・メ・レイはあっけなく食われ、主人公も追い詰められてしまう。
すごいのはここから。原住民の一人と戦い、勝利したかと思えば、そいつの腹を裂いて、その内臓を食らう(上の写真)。このことにより人喰い族に戦士として認められ、彼らが見守る中をセスナで帰還するという、まさに壮大な人間ドラマ!
もちろんお約束の見せ場も外さない。“食人女優”の異名を取るメ・メ・レイが食われるシーンでは、はらわたを抜かれ、その中に焼け石を入れるという、いかにも原住民な調理法を披露した。今作のメ・メ・レイは、主人公のイチモツを触ったり、主人公に犯されたり、挙句の果てには上の調理法で食われたりと、なんだかなぁ〜です。
すごいのはレンツィがこの後に撮った作品なのだよ。あの「フィーリング・ラブ」なんですよ。いわば「ある愛の詩」系統の純愛モノ。さらには「エアポート」のバッタモンである「コンコルド」、「鮮血の美学」にも似たソフトコア「真夜中の狂気」と作っていき、その後に満を持して「食人族」を放つことになる。そう、デオダートもレンツィ同様の職人監督だが、この作品の幅の広さは、おそらくカニバル映画を撮っている監督たちの中でも髄一であろう。このレンツィの作品群も、いつかは取り上げてみたいと思う。
次回は、そんなデオダートの代表作「食人族」をお届けします。お楽しみに!
第5回「食人族」

CANNIBAL HOLOCAUST
年度:1981年
製作国:イタリア
時間:95分
監督:ルッジェロ・デオダート
音楽:リズ・オルトラーニ
出演:フランチェスカ・チアルディ、ルカ・バルバレスキー、ロバート・カーマン
公式解説:
人肉を食べるという食人族の取材に出かけたドキュメンタリー取材班が、南米のジャングルで消息を絶った。取材班を追って現地入りした捜索隊は、彼らが残したフィルムを手に入れる。そのフィルムに映っていたのは…。
私的解説:
さて、カニバル映画特集の最終章DEATH!
そのジャンルの中でも特に濃ゆい3本を厳選してお送りしましたが、残りは「猟奇変態地獄」を後々取り上げるか取り上げないかで迷ってます。残りの作品はいわずもがなですのでね。
この作品は、職(食)人監督であるルッジェロ・デオダートが作り上げた作品であり、カニバルモノからすれば見せ場は相変わらずなのだが、偽ドキュメンタリーと割り切れば、かなりの出来であろう。ヤコペッティやクリマーティらが築き上げた“モンド映画”を極限まで昇華させた傑作といっても過言ではない。これを下敷きにして、全世界を(悪い意味で)唖然とさせた「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」が作られた。そりゃそうだよな。手法が全く似てるもん。
内容は、失踪したドキュメンタリークルーの8mmフィルムを回収しに密林に向かう博士たち。そこで、8mmフィルムがクルー一行の骸骨と共に祭り上げられていたので、とりあえずバタフライナイフを曹長にあげて、博士と原住民の女たちが全裸で水浴びして、原住民の人に貰っただれかしらの肝臓を食べたりと、原住民側に歩み寄って何とか回収した8mmフィルムには、世にもおぞましい映像が記されてあった・・・。というもの。
まあ、見せ場はいろいろとありまして、有名な亀解体ショーに串刺し女、細長い石ころで犯した挙句に殴殺、原住民レイプ、クルー同士のセックス、中絶の儀式、そしてクルーの最期などいろいろあります。まあクルーが食われるのも、度が過ぎたヤラセに原住民がブチ切れしたというものです。ここら辺は「人喰族」のジョン・モーゲンの顛末とカブりますね。
もう見せ場はいいんで、後はこの映画にまつわる小ネタでお茶を濁すとしよう。
この映画、当時日本では「E.T.」に並ぶ大ヒットを記録したのだが、それは巧みな宣伝にあった。「サスペリア」もそのクチで大ヒットしましたよね。
そんで、この映画のすごいところは、音楽にリズ・オルトラーニを招いてる点。ヤコペッティの「世界残酷物語」の音楽を担当し、あまりの旋律の美しさにアカデミー賞まで取りかけた。そんな彼を起用したことにより、このギドギドしたストーリーに程よい清涼剤的役割を果たしている。特に、テーマソングはマジで必聴です。「食人族」の音楽と割り切らなければ、かなり聴ける曲なので。
まだまだ小ネタは続き、有名な串刺し女のシーン。いくら劇映画とはいえ、ここまでリアルなら・・・とお思いですが、実はサドルに腰掛けて、ただ棒を加えてるだけだったのだ。その場面では映画の編集方法まで逆手に取り、ちょうど陰部あたりにサドルがあるんで、見事に修正して終了。さすがです。ちなみにこの棒を加えた全裸の女性は、何とスタッフの1人というからさらに驚き。
そして、中盤に出てくる銃での処刑映像。劇中では、クルーが撮ったヤラセと言われているが、これこそ実は本物の映像なのだ。ドキュメンタリーと銘打っといて、本物の処刑映像をヤラセと言う点、またしても脱帽です。
最後は、亀の解体シーンでの微笑ましいエピソードを。クルーが裂いて食っていたあの亀だが、あの亀はフィルムが回ってないときにスタッフらがおいしくいただいたそうで、後に動物愛護団体にイチャモンつけられたときに、デオダート自身が言っていた。
ちなみに、この写真は最後に食われるクルーの1人であり、「人喰族」にも出ていた人だ。
さて、これにてしばらくはカニバル映画特集は封印DEATH!次は、1年後・・・かな?
次回は、ダリオ・アルジェントの最近の作品「スリープレス」をお送りします。お楽しみに!
第6回「スリープレス」

NON HO SONNO
年度:2001年
製作国:イタリア
時間:117分
監督、脚本、原案:ダリオ・アルジェント
製作総指揮:クラウディオ・アルジェント
劇中の童謡の製作(所詮、製作協力):アーシア・アルジェント
音楽:ゴブリン
出演:マックス・フォン・シドー、ステファーノ・デオニジ、キアラ・カゼッリ
公式解説:
D・アルジェント監督とホラー映画の黄金期のメンバーによるサスペンスホラー。17年前に目の前で母を殺されたトラウマを抱える少年と当時の担当警部が、突如起こった無差別殺人を機に、再び捜査を開始する。音楽は伝説のバンド・ゴブリンが手掛ける。
私的解説:
今までは昔の作品を取り上げてきたが、今回の作品は2001年とかなり最近。しばらくはジェニファー・コネリーなり娘のアーシアなりをいじめてきたアルジェントなのだが、この作品ではファンが待ちに焦がれたジャーロへの回帰を実現した。
評価は賛否あるものの、個人的には成功だと思う。ストーリー、理不尽な殺害方法、そして音楽。音楽の部分については後で述べるが、やはり70年代のジャーロを量産していたアルジェントっぽくてよかったです。
刑事と当時の少年がつるむストーリーから見れば、「シャドー」というよりは「サスペリア2」の方が近いかな。
アルジェントのジャーロらしく、黒手袋の手も健在。あれはアルジェント自身がすべてやっているのだが、今回もその例に漏れず(しかし、前半の黒手袋の手は初めて他人に委ねたのだとか)。やっぱり年月が経ってもこだわっているんですね。
音楽には、アルジェント・ジャーロを盛り上げてきたゴブリンが担当。「サスペリア」や「ゾンビ」の鬼気迫る圧倒感、とまではいかないものの、聴けばやっぱりゴブリン節。程よい激しさがあり、劇中を盛り上げます。
主演の刑事役には、名優マックス・フォン・シドーを起用。「エクソシスト」の神父役で有名だが、さすがはアルジェント。人選は的確かつ外しませんね。
最近の作品ながらも、70年代のアルジェント・ジャーロの雰囲気が漂う本作品。凡庸なサスペンスに飽きたアナタは、ぜひご賞味あれ。
次回は、ミケーレ・ソアヴィの初監督作「アクエリアス」を紹介します。お楽しみに!
第7回「アクエリアス」

AQUARIUS
年度:1986年
製作国:イタリア
時間:91分
監督:ミケーレ・ソアヴィ
製作:ジョー・ダマト
出演:デヴィット・ブランドン、バーバラ・クピスティ、ロバート・グリゴロフ
公式解説:
アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭最優秀恐怖映画賞を受賞した傑作ホラー。大量猟奇殺人事件を描いた芝居の稽古中に、劇団員が次々に殺されていき…。
私的解説:
ダリオ・アルジェントの一番弟子であるミケーレ・ソアヴィの監督デビュー作でもあり、それでもっていきなりファンタスティック映画祭で賞を貰ったという作品。
ストーリーは、フクロウ仮面(写真参照)を付けた殺人鬼が閉ざされた建物内の劇団員を次々と手にかけていくというもので、ここはホラー映画らしくシンプル。
やっぱりアルジェントの弟子だけあり、メリハリや小ネタは程よく効いている。しかし、師匠との差別化を図っている場面も多く見られ、どうりで一番弟子なんだなと痛感。
まず、全体的に青色を基調としていること。色彩を強く表現するところはいかにもアルジェントらしいのだが、赤を強調するアルジェントに対し、ソアヴィは青を選んだ。それが画面の美しさに繋がっているんだなと。
フクロウマスクの殺人鬼ってのも秀逸なアイデア。この殺人鬼が死体を並べて椅子に座ってジロジロ見るシーンとかは、見事としか言いようがない。
ちなみに、この作品にはアルジェントは関わっていない。コラボは「デモンズ3」から。その代わりというのもなんだが、例の「猟奇変態地獄」などを作ったジョー・ダマトが製作に就いている。
ホラー映画としても水準の高い出来である本作品。国内版DVDは現在入手困難だが、見る機会があったら見るべし。
次回は、そんなジョー・ダマトの「ゾンビ'99」をお送りします。お楽しみに!
第8回「ゾンビ'99」

LE NOTTI EROTICHE DEI MORTI VIVENTI
年度:1979年
製作国:イタリア
時間:90分
監督、脚本:ジョー・ダマト
出演:ラウラ・ジェムサー
公式解説:
『キリング・バード』のジョー・ダマトによるエロチック・ホラー。過激な残虐行為とSEXシーンの連続は圧巻。『愛のエマニエル』のラウラ・ジェムサー主演。
私的解説:
ついにこれがやってきたか・・・はぁ。
“褐色のエマニエル”ラウラ・ジェムサー主演、監督ジョー・ダマトの、黒いエマニエルモノの進化系。
ソフトコア+ホラーの融合らしいが、どっちの要素も中途半端。ソフトコアにしては物足りないし、ゾンビモノにしては特殊効果がフルチに比べればチャッチイ(笑)。
見所はゾンビ化したラウラ・ジェムサーがイチモツを食いちぎるところぐらいか。あとはほとんどセックスか全裸のシーン(笑)。
まあ、ジョー・ダマトに期待は禁物ですよ。この後に放った「猟奇!喰人鬼の島」はなかなかの出来だったんですがね〜。
今日はダラダラやってしまって申し訳ない(汗)。
次回は、ダリオ・アルジェントの「シャドー」をお送りします。お楽しみに!